「綾さぁぁぁん!!」
綾まであと数m。
がしかし、その距離は縮まることがなかった。
「落ち着け、相馬!!」
「なんで止めるんだ、大雅!!」
「アイツの顔をよく見てみろ!!すんげぇうざそうだぞ!!」
「・・・いつもああいう顔じゃないの?」
「それはお前がウザがられてるからだ!!ほらっ、隣のやつと喋った時の顔見たか??!
めちゃくちゃ穏やかだったぞ!!」
「きぃぃぃぃっ!!何あのドちび!!綾さんの隣りに立つわ、喋るわ、羨ましすぎでしょ!!」
「ジェラッてんじゃねぇよ!!」
「あのチビ、ぶっ飛ばす!!」
・・・なんだこいつら。
「ギャハハハッ!!チビって言われてやがる!!」
『そう言う桜李も、大雅にチビがうぜぇっていわれたくせに』
「ぬぁっ??!何それ初耳!!どゆこと?!」
「蓮条、そろそろ食堂に行かなきゃ」
『へっ?なんで苗字・・・』
「お前名前ばれてるだろ??」
「赤アゲハだってばれたらまずいんでしょ??」
『あっホントだ!!全く気付かなかった』
「まぁお前の脳みそじゃな」
『うっさい!!お前なんか、相馬に絡まれてノイローゼになって風邪ひいてしまえ!!』
「…地味にリアル」
なんでこいつらが学校内に入ってきてんのかは、全く分からない。
けど「関わりたくない」という意見が一致したので、無視して食堂へ行くことにした。
「あぁぁぁあっ、綾さんがいっちゃう!!」
「はぁぁぁ?!無視かよっ!!」
「相馬さん、吉川が起きませんけど」
「吉村ぁぁぁぁ!!」
「お前わざとだろ」
公共の場で大騒ぎするなんて、ばかじゃない?