『・・・なんも言われなかった』


「バカだね、ユウ」


『むぅ、何がバカなんだよ』


「言われたでしょ?次気をつけろって」


『うん』


「つまり次遅刻したら何されるかわかったもんじゃないってこと」


『・・・あぁ、なるほど。遅刻しなきゃいいんだろ?』


「無理だね。綾がいる限り」


『あぁぁ~・・・ってコイツらまた寝てるし∑!!』


「育ち盛りなんでしょ、背だけ伸びて頭ん中は全く成長しないけどね」


『そういや桜李と希は身長違うよね?』


「二卵性だから、顔は似てても身長とかは違うんじゃない?頭とか」


『なるほど。似てない双子を説明するには最適だな』


「ユウは変人を説明するのに、ちょうどいい材料だね」


『材料って!!なに材料って・・・ぶっ!!』




希に反論しようとしたら、おでこに何かが当たった。

拾ってみると、体罰上等、天下のチョーク様。






『・・・・・・』




教卓を見ると、何もなかったように授業を進める先生。

横を見ても何もなかったようにノートを写す、希。




・・・いぢめか?

お前らグルで私をいぢめてんのか?