『何してんの。ジベタリアンブーム再発ですか』
「んなわけねぇだろ」
そう言ってベッドの上に座る私を真剣な顔で見上げる。
・・・綾を見下ろすの初めてだ。
いっつも見下ろされてるから、ちょっと嬉しかったりする。
「文句あるなら、言え」
『へっ??』
「溜めこんで爆発させられるよか、よっぽどましだ」
『えぇ~と…なんのこと?』
「だから、俺らになんか文句あるなら、我慢しないで言えってことだよ!!!」
『文句あるなんて、言ったことある?』
「あぁん??さっき泣きながら愚痴りまくってたじゃねぇか」
『泣いたっ?!この私が泣いた??!』
「反応するとこ、そこかよっ!!」
『うっわ~、泣いたとかありえないわ。酒か、酒のせいだな!!?』
「お前、酒癖わりぃよ。金輪際飲酒禁止」
『無理~!!っていうか、愚痴った覚えもありません!』
「単に覚えてねぇだけだろうが!!」
『じゃぁ気にすんな!!本人が気にしてないことで綾が悩むのって、なんかバカっぽいぞ?』
「うっせぇ!いいから、早く言いやがれ!!」
『・・・・(文句、もんく、モンク・・・)』
「何黙ってんだよ」
『・・・「叫び」の絵の人、きっとケータイ落として絶望してんだろうね』
「何の話だ。ムンクか、文句からの連想ゲームか」
『なんでわかったのっ??!』
「お前は千歳と桜李レベルのバカさだ」
『いやぁぁぁっ!!一緒にされたくない!!』
「で、何泣いてたんだよ」
『うおぉ、切り替え早っ。
・・・う~ん、暴れないでください?』
「むしろお前の方が暴れてる」
『そうか…じゃぁわがまま言わないでください?』
「言った覚えはない」
『なんだよ~も~。じゃぁ朝ごはん一緒に食べてください』
「努力する」
『無理だねっ!!寝起き最悪のお前らには無理な話だね!!』
「他は?」