vs白狐&黒蝶編
もつれにもつれて、ただいまユウの争奪戦中。
(最近思うんだけど・・・)
はぁ~…と溜息を吐きながらドアに寄り掛かり、倉庫内を見渡す。
中では千歳、翼、相馬、大雅がケンカ、桜李はそれを見て爆笑、綾は離れた所から見ている。
「てめぇ、さっさとユウを離せよ~!!」
「ぜってぇ離さねぇし!!おぃ相馬、手伝え!!」
「えっ、でも綾さんが・・・」
「桜狂か幼なじみ、どっちとるんだよ!!」
「俺を巻き込むな」
「綾さんに決まってるじゃん」
「即答かよっ!!!」
「ギャハハハハッ!!アイツらバカだ(笑)」
「隙ありっ!!」
「あぁぁぁっ、ハルカ~!!!」
「だからユウだってば」
「待てやゴラぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
(俺、入るチーム間違えた気がする)
このテンションには付いていけないわ~、ともう一度深い溜息をつく。
「希、暇か?」
「あ、綾」
ふと気がつけば、綾が側に立っていた。
「吃驚した」
ホントに気配ないな(存在感がないとかじゃなくて)
「俺も驚いた。まさか近づいても気がつかないなんてな」
「あははっ、ちょっと考え事~」
「場違いだ、とかじゃねぇだろうな」
「えぇ~、そんなことないよ」
(なんでばれたんだろう)
作り笑いを浮かべる希の顔を覗き込む、綾。
その眼は、明らかに希を疑っている。