「お、おぃ・・・なんでこいつ泣いてんだよ」
「酒飲ませたら泣きはじめた」
「酒って・・・弱いならやめときゃいいのに」
「未成年は飲酒禁止だぞ?」
「翼、ちょっと黙ってくれ」
「まぁとにかく、うちのユウを返してもらおうか」
「ぜってぇヤダ。ハルカは俺んだ。っていうか、なんでユウなんだ?」
「ハルカは偽名だそうだ」
「あ、綾。お前も返してくれるよう、言ってくれ」
「・・・めんどくせぇ」
『・・・やっぱそうなんだ』
ぐずっていたユウが、突然口を開き、綾たちはビクッと肩を揺らした。
「なにが『そうなんだ』??」
『やっぱり、私なんかどうでも良かったんだね・・・』
「おぃ、話が見えねぇぞ」
『そりゃそうだよね、気が向いたら来るって言ってたのに期待して待ってた私が悪いよね、ゲーセン誘ってくれなかったし、しかも私抜きで行っちゃうとかどんだけ仲間はずれ?別に私がいなくてもよくね?っていうか、誘われたのってきまぐれじゃね?あぁぁぁ、やっぱりやめときゃよかった、わがままだし、腹黒だし、なんかいきなり襲われちゃうし?バカだしチビだし、地味だし…』
「なんかぶつぶつ言ってるんですけど」
「っていうか、最後の方悪口じゃない?」
「なんで俺だけ2個も悪口言われなきゃならないんだ!!」
『誰も桜李がバカでチビで、腹黒に勝てないヘタレで、視界にいれたらイライラするなんて言ってないし』
「悪化してるっ∑!!」
エンドレスにぶつぶつ言い続けるユウに、少し寒気を覚える綾たちだった。