『綾、ここじゃなかった。あっちのほうだ』


「んだよ、無駄に疲れただけか」


『ごめんごめん。今希から電話あってさ』


「なんて言ってた」


『「バカじゃないの」と「桜李が殴られた、いたそー」しか覚えてない』


「ってことは、ケンカ始まってんじゃねぇか」


『そだな~。始まってんな~』


「チッ おら、早くいくぞ、短足」


『たっ、短足??!お前、私のこの超美脚を短足だとぉ??!』


「キモい、ウザい、事実を言ったまでだ」


『キィィィッ!!めっちゃムカつく!!』





大騒ぎする3番街から離れて、希がいるであろう場所へと向かう。


綾はやたらと早足で、私より少し前を歩いている。


この距離をじーっと見つめ、大変な事実に気付いてしまった。





・・・私、短足かもしれない。







『いやいやいや、身長差だきっと!!

桜李と歩けば、多分普通なんだ!!』




そして、裏道に入った途端、数人の男が絡んできた。


なんてお約束なんだろうか。



そして綾さん、気づいてないんですか。


そのまま歩いて行っちゃう感じですか。




時間に追われた現代のサラリーマン気取りですか、コノヤロー!!