着信は、久々☆な兄ちゃんこと皇からだった。
『もしも~し』
<あ、ユウ??>
『かけた相手に確認すんな。
自信がないなら、メモリを5回見直してから電話しろ』
<あぁ、ユウだ。今、暇??>
『う~ん、微妙。なんかあった?』
<繁華街でどっかのチームが暴れててさ。しかも桜狂だせってウルサイうるさい>
『マジでか。人数は?』
<多くもなく少なくもなく、みたいな?>
『抽象的すぎ。
今日の晩御飯ナニ~、って聞いたのに、中華か和食よ~、って言われてるようなもんだぞ』
<逆に分かりづらい。まぁ100人ぐらい?>
『一人でいけるでしょ』
<えぇぇぇぇっ!!ユウさ~、最近なんか冷たくない?>
『ソンナコトナイヨキノセイダヨ』
<ほら、カタコト!!俺知ってるんだからな、ユウは誤魔化すときいっつもカタコトになるの!!>
『チッ わかったよ、今からいくわ』
<うん、中心部じゃなくて、外れのほうだから>
『了解』
電話を切ると、綾がこっちをガン見してた。
なんで?!なんかしたっけ?!
「なに他の男と電話してんだよ!!」みたいな展開??!
・・・いや、それはないな。見てよ、あの冷静かつ微妙に興味なさげな目。
死んだ魚のようだね。
「誰からだ?」
『皇』
「なんて??」
『ん??ちょっと繁華街で、他のチームが暴れてるよってさ』
「・・・なんで俺の名前がでるんだよ」
『あれ、電話聞いてたんだ(笑)』
「・・・・・・」
あらら、だまっちゃった。