その物体は、くりっとした大きな眼とふさふさな毛をもつ・・・




「ワンッ♪」

子犬でした。




『どうしたんだ、これ…』


「ひろった」


『世話、できんの??』


「俺は花の世話すらできねぇ」


『逆にやってたら気持ち悪いよ。

世話できないのに、拾っちゃダメじゃん』


「でも気の毒じゃね?」


『うっ、たしかに…』



うるうると目を潤ませてこちらを見てくるわんちゃん。

殺人的な可愛さっ///綾が拾っちゃうのも、無理はない!!





「なんかどっかのバカに似てたからよ」


『えぇっ、こんなに可愛いのっ??!

そのどっかのおバカさん、めっちゃ羨ましい!!』


「・・・・・・」


『ん、何??』


「…いや、バカだなと思って」


『なぬっ??!』



綾はワンちゃんを抱きかかえたまま立ち上がり、倉庫へと歩いて行った。





『ちょちょ、どうすんのその子??』


「まぁなんとかなるだろ」


『なにその適当な返事!!っていうか、抱っこさせて~!!』


「だめだ」


『なんでよぉっ!!』


「俺が拾ったからだ」


『意味不明っ!!』