「で、今日は何の用事?遙さんからのお使いかしら」
『違う違う、服買いに来たの』
「そうだったの、まぁ好きなだけ見ていきなさいな」
フジコちゃんとの会話もほどほどに、店内の服を見て回る。
「ねぇ、ユウ。ハルカって赤アゲハのことじゃないの??」
真剣に服選びしてる私に、希が話しかけてくる。
『んにゃぁ、ハルカっつうのは親父のこと。
時折親父のパシリでここにくんのよ』
「サラリーマンのお父さんが、情報屋に?」
『うん、サラリーマンにも事情があるのよ』
希は勘がいいな~。毎度ながら、ヒヤヒヤさせられるゼ・・・。
店内を見回っていた私は、大変なことに気がついた。
『フジコちゃん!!あの文字シリーズがない!!』
「え?なにそれ…」
『これっ!!今着てるのと同じ感じのやつ!!』
今私が来てるのは、”明治維新”。
さっきから店内を見てるけど、かわいい服やかっこいい系ばっかりで、Tシャツが全く見当たらない!!
「お前まだそれ探してたのかよっ!!」
『うっさい千歳!!これがなかったら赤アゲハ出動できないんだよ!!』
「もっと普通の服選んでやるよ」
『綾っ、可哀想だなって眼で見てくんな!!』
「それなら在庫は3着だけよ?」
『マジで!!?全部買う!!』
「やめとけって…」
『う~る~さ~い~!!』
皆の反対を押し切ってフジコちゃんに在庫を持ってきてもらうと・・・