このまま放っとくと、いつまでも無駄な時間を食ってしまいそうだったので、いわくつき(?)の路地裏へを足を進めた。
「っていうか、なんでこんなところの店なんだよ…」
『ケンカしてたら迷い込んで、そこで店見つけちゃったんだ☆』
「☆つけるキャラじゃねぇだろ」
『んだと、綾??
お前もつけてみろよ、意外とイメージ変わるぜ??
360°回るぜ??』
「変わりすぎて崩れるわ。
っていうか、回り回って元通りじゃねぇか」
『なんかさ~、最近綾のツッコミがキレを増してきたね』
「無口キャラ、崩壊してるな」
「きっと360°回った結果だよ(笑)」
『「「「ギャハハハハッ!!!」」」』
『回転中に何があったんだ?!(笑)』
「あっははは、希サイコー!!」
「回り回っても、元通りじゃねぇし!!」
「お前ら、後で覚えとけよ…」
眉間にしわを寄せて、思いっきり睨みつけてくる総長さま。
皆、冷や汗を流して口を噤んだのは、言うまでもない。
『おっ、この店この店~♪』
「意外にお洒落だな」
「っていうか、場違いだな」
路地裏を歩いて4分、目の前には路地裏とはミスマッチで小奇麗な店がある。
店の名前は”Lilian”
知る人ぞ知る、悪く言えばマイナーな店だ。
――――カランカランッ…
『フジコちゃぁぁん♪』
「「「ル〇ン???!」」」
「あら、ユウじゃない」
店の中には、ウェイビーな赤髪をなびかせ、露出度半端ないドレスを着た、グラマー店員”フジコちゃん”がいた。