~とある教室~



「おいっ、今日転校生が来るんだってよ!!」

「はぁっ??!入学式からまだそんなにたってねぇぞ?!」

「それが、あの祠堂-シドウ-のカツアゲを回避したらしいぜ!!」

「なんでも、教師殴って退学にされたとか…。」

「えっ?!俺は、入ってソッコー警察の世話になったからって聞いたぞ??!」

「とにかく、やべぇヤツっぽいな!!」




教室は転校生の話でもちきりだ。






―――――ガラガラッ


通行人Aクンがドアを開けて、入ってきた。

その手には、ペットボトル×5。



A君がパシられている、という事実にクラス中の男子が驚愕した。



「おい、祠堂がパシられてる」
「絶対じゃんけん負けたんだって」
「あ~、あいつ弱ぇもんな」
「喧嘩は強ぇのにな」





こそこそ話す集団をギロッと睨みつける。

集団は一気に静かになり、真顔で笑いをこらえる。




((大人げねぇ!!))

((ちょっとからかっただけじゃねぇかよ!!))

((ってか、ジャンケン弱いの気にしてたんだ))




空き缶を抱えて、後ろの方の席へと足を向ける。

そこには、4人の男子が固まって座ってた。




「おっ、帰ってきた~!!」

「おかえり~」

「コーラあるか??!」

「俺、コーヒーね」

『いっぺんに喋るな。適当に取っとけ』

「そういや、転校生来るってさ」

『知ってる。さっき会った』

「マジで??!」