と、その時、希が寝がえりをうって落ちそうになった。






『のっ、希危ない!!』





ささっとソファに駆け寄り、希の体を支える。
今までで一番早く動いた気がする。






『希、大丈夫??』


「・・・ん?」


『起きた??』


「・・・・・・」




あれっ、いつも見てる希と表情が全然違う気がする。

今日の希はなんだか険しい。





「・・・チッ」



舌打ちぃぃぃぃ!!



今、舌打ちした??

いつも私の味方だった希が、舌打ちした?




「バカ女が…気安くさわんじゃねぇよ」





希は、冷たい眼で私を睨みつけ、私の腕を振り払って再び眠りについた。




『す、スミマセンデシタ…(泣)』






あれ~、なんだか部屋の温度10℃ぐらい下がった気がする。

若干サブい!!冷凍ビーム炸裂だ!!



いつも温厚な希だからこそ、この冷凍ビームは効いた。




『ってか、なんで私がキレられなきゃいけないの??

落ちそうになってたから、助けただけじゃん。


突き落してやろうか、コノヤロー』




本気で突き落とそうと思ったけど、やめといた。

今度機嫌を損ねたら、生きて日の目に会えない気がしたから・・・(汗)



人は見かけによらないな。

まさか希に、魔王が降臨するとは思いもしなかった。