「じゃっ、俺ら帰るんで~」


「ちょっと待ちなさいよっ!

あんたらのおかげで、寝るのが遅くなったのよっ??!」


「無理に待ってなくてもいいのに~」


「うっさいわね、会長サンのお願いなんだから、しょうがないじゃない」


「あのバ会長のどこがいいのかね~」


「そりゃぁ、おバカで可愛いとこでしょ♪」


『・・・そうか??』


「わかってないわね~」


「おぃ、カマ野郎。もういいだろ」


「綾ぉぉぉっ!!てめぇ、それ言ったら殺すっつったろうが!!」




要さんが綾に襲いかかる。


さっきまでの女っぽさは消えて、今はただのケンカする兄ちゃんだ。





『うわっ、要さんが豹変した…』


「タブーだからね。さっ、今のうちに部屋に戻ろうか」


『えっ、ほっといていいの?』


「いつものことだから」


『へぇ~』





これ以上疲れるのも嫌なので、希の言葉に甘えて、206号室へと戻った。



それから15分して、傷だらけの綾が帰ってきたときは、心底驚いた。





桜龍の総長と互角に渡り合うなんて、要さん、恐るべし…。