翼も思い出したらしく、?マークな千歳と桜李に説明する。
「ほら、こないだ噂が流れてきたじゃん?
黒髪の女と茶髪の男が、繁華街に出入りしてはチームを潰してるんだって」
潰してません!!
ルールに背いたやつに制裁を加えてるだけで、チーム丸ごと潰してるわけじゃないぞ!!
誰だその噂流したの!!
「へぇ~、怖ぇな」
「だな。きっとその女は、プロレスのチャンピオンで、ゴリラみたいなやつなんだろうな」
失礼なっ!!
ゴリラじゃないよ、オランウータンだよ!!
間違えた、女の子だよっ!!
「で、その赤アゲハがなんなんだ??」
「千歳って、ほんとそういうとこバカだよね」
「悪かったな~、頭の回転遅くて!!」
頬を膨らました千歳。
それを呆れた目で見る綾が口を開いた。
「そのゴリラが、こいつなんだよ」
「「えぇぇぇぇっ??!」」
『ちっ、違う違う!!
ワタシアカアゲハナンカシラナイヨ~??』
翼は理解してたらしく、桜李と千歳の叫び声が部屋に響いた。
ぼーっとしてた私は、二人の叫びに呼び戻されて、慌てて否定する。
が、私の話なんて、こいつらがこれっぽっちも聞いてくれやしない。
「じゃ、じゃあこの子が赤アゲハ??!」
『ち、ちが…』
「さっきから、そう言ってるよね」
『ちょっと、聞いて・・・』
「だって、オランウータンじゃないぞ!!」
『私の思考内の間違い、掘り起こすなっ!!』
「誰もオランウータンだなんて、言ってないだろ」
騒ぎまくる、千歳、桜李、私。
翼は楽しそうに笑ってるし、希は冷静に対応してくる。
綾にいたっては、呆れたを通りこして、若干引き気味で私たちを見ている。