「ごめんごめん、このお姫さんが顔真っ青だったもんで」
綾の向かいにあるソファに私をおろしながら、千歳が笑う。
「あ?お前体調悪いのか」
『お前のせいだよっ!!』
悪いに決まってんじゃん!
バイクから降りてソッコー地面に這いつくばる私を、横眼でみてたじゃん!!
「地面に這いつくばんのが趣味なのかと思った」
そんな趣味のやつ、いるかぁ!!
どんだけ私ドMなんだよっ!!
「はぁ~、やっぱここが落ち着く」
「それにしても、銀龍しつこかったな~」
「いいじゃん、おかげでこんな可愛い子見つけたんだし」
「そうだ、名前なんだっけ??」
突然聞かれて、回復したばかりの私の頭は、とっさに反応することができず、
『蓮条 ゆ…ハルカです』
墓穴を掘ってしまった!!!
蓮条って苗字、言っちゃったよ!!
しかも一瞬”ゆ”っていっちゃった・・・
自分で名乗ることなんてなかったから、うっかり忘れてた。
ヤベェ!!!
「へぇ~、蓮条ねぇ」
そしてそんな凡ミスに、こいつが反応しないわけがなく…。
「ユウも蓮条だよな」
「あっ、そういやそんな苗字だったね」
「なんか関係あんの??」
『い…いとこ??』
「ふ~ん、ってかなんで疑問形?」
『いや~、はとこかもしれない』
「遠いなっ(笑)」
「年、いくつ?」
『15』
「同い年??!」
『そうですね』
「高校どこ??」
『惺窩-セイカ-学園です(転校前の学校)』
「へぇ~」
綾以外の4人からの、質問の嵐!!
なんだか尋問されてる気分だ。
「惺窩には友達いねぇな。」
ば、ばれなかった?ギリギりセーフ??!
ほっ、と一安心したところで、遂にあの悪魔が攻撃を開始してきた!!