ゲシッ ドカッ バキッ
私は、襲いかかってくる銀龍を、得意の足技で片していく。
左足を軸に足を蹴りだして、相手の鳩尾に一発。
そしてそのまま足を振り、回し蹴りを3人にお見舞いする。
革手袋をつけた手を地面につけ体を支え、両足を振り上げて周りにいた銀龍を蹴り飛ばす。
体勢を立て直し、とび蹴りを繰り出す。
赤い上着が動きに合わせて翻るその姿は、
まさに”赤い蝶”が宙に舞うようだった。
・・・―――――――――
『・・・ふぅっ、こんなもんかなっ』
ケンカが始まってから10分。
公園に立っているのはユウ、皇と桜龍の幹部と数名のメンバーだけだった。
「大丈夫かっ??」
皇がユウを心配して駆け寄ってくる。
『おぅっ!!このとおり、玉のお肌は死守したぜ☆』
ユウの言葉通り、ユウの体には傷一つなかった。
「はぁ~、安心した」
そう言って皇は右手を高く上げる。
『はぃ、お疲れさん♪』
ユウは、皇の右手に自分の左手をパチンッとハイタッチをした。