『なぁに~??
綾くんってば、心配してくれてるの~??』



もうすぐのところに銀龍のやつらが迫ってくる。

それでも、かたくなに手を放そうとしない綾を、少しからかってみる。


が、それは逆にユウを焦らすもととなる。





「・・・なんで俺の名前知ってる」


『えっ、だって有名な桜龍の総長サマでしょ?』


「あぁ、たしかに桜龍の総長だ。

だが、本名は幹部と学校のやつらしか知らねぇはずだ」


『えっ、マジっすか(汗)』


「俺の通り名は、”桜狂-オウキョウ-”




・・・なんで女のお前が、俺の名前を知ってんだろうな??」


『なっ、なんででしょうね~』





銀龍のやつらが迫ってきてるけど、それ以上にヤバい状況!!

どどどどど、どうしよう??!

わざわざ自分で墓穴掘っちゃったんですけど!!






『とと、とりあえずその話は後にしない??』

「・・・・・・」



綾は周りを見回し、今の状況のヤバさに気づいてくれたのか、手を離した。



手が離れたのを確認すると、どこかにいるであろう皇を呼ぶ。




『・・・皇!!!』


「・・・はいよっ」


『Lotusにつないで、ターゲット一覧だしといて!!

今から銀龍、ぶっつぶす!!!』


「え~、俺も暴れたいよ~」


『じゃぁ、Lotusにつなぐだけでもしといて!!』




もうお喋りをする暇がない。

怒り狂った(・・・のかどうかは分からないけど)敵が、私を取り囲んでいたのだから。




『皆さん、話し合いで終わらせません??

ほら、世界は今Love&Peaceですよ!!』

「ふざけんなっ!!」

「てめぇが俺らの総長をぶっ飛ばしたんだろ!!」



そりゃそうだ。

先に手を出した私が、ラブ&ピースなんて言う資格ねぇな(笑)