みんなそれぞれ前に出て
自己紹介しだした。


恥ずかしがる人、
ふざけてみんなから笑われている人。


担任はどんな生徒にも
大きな拍手を送っていた。



そして私の番。


私は前に出て
簡単に自己紹介をした。



「長谷川理子です。所属してる部活は……吹奏楽部…です。1年間よろしく。」



自己紹介を終えた私に
生徒からの拍手はなかった。


聞こえてくるのは
担任の大きな拍手と、
みんなのひそひそ話だけ。




「えー、まだ吹奏楽部ってあったん?」

「活動してへんのに入る理由ないよなー。」

「てか新入部員も集まらへんのちゃう?」

「去年まではすごかったのに今めっちゃやばいよなー。」