「壱吾君のこと、いい加減吹っ切りなよ」


『………』



無言で朝食の目玉焼きを食べていた手を止め、テーブルにフォークを置く。




あれから随分経つのに



“壱吾”という名前を聞く度に胸が苦しくなる。





……1ヶ月前、あたしは一年間付き合っていた大好きな彼氏にフラれた。





―――つぼみより…好きな人ができた。




それが、壱吾にフラれた理由だった。






それなりにラブラブだったと思うし、告白してきたのも壱吾からだったから


お互いにちゃんと好き合っていたと思う。




そう思い込んでいたから…壱吾にフラれた時、凄くショックで

一週間くらい食べ物が喉に通らないほどまでになってしまった。





毎日泣いて、泣いての日々が続いて


体の水分がなくなっちゃうんじゃないかって思うくらい…毎晩泣いていた。