「野田つぼみねぇ…」



高級品と思われる真っ白なソファーに寝転びながら冬夜が呟くように言った。






―――ここは、3年生校舎の2階の突き当たりにあるBeauty専用VIP ROOMと呼ばれる場所。





Beauty専用VIP ROOMとは、BeautyまたはBeautyが認めた者以外は立ち入ることのできない…まさにBeautyだけのために作られた部屋のことである。




Beautyの専用部屋なだけに集まるBeautyファンの女子も多いのではないかと思われがちだか…そんなことは一切なかったりする。




生徒はもちろん、教師までこの部屋に近付こうと思う者は誰ひとりいない。





「4メートル先にデジカメを持った怪しい女子3人発見。えっと、ネクタイ赤だから…1年かな」



部屋に何個かあるテレビに映し出された映像を見て立ち上がる和也。





「ちっ…また新規かよ。うぜぇ」

「まぁまぁそんなにイラつくなって。新規なんだからさ」




舌打ちをして、イライラを隠し切れず貧乏揺すりをしている冬夜をなだめ、潤は女子達がいるドアの向こう側へと向かった。