確かに目に映ったのは、見覚えのある
……桐里先輩の文字

言葉の途中で急に黙ったあたしを
心配そうに見た新井田くんが目の端に映った

「鈴木?どうした?」

あたしは何も言えずに
震えている手を動かして
彫られた文字を指差した

「………え」

あたしの指先を目で追い
言葉を無くした新井田くん

静かな空気が流れる