―4月20日―

入学式を終え、やっと一年生も高校に慣れはじめたのか昼休みにはあちらこちらに一年の集団が伺えた。

ここから一年の身内で、問題が増える時期だなと一瞬教師のような事を考えてしまい一人で笑ってしまうのだった。






「たまきくーん!」

俺の名前を叫びながら走ってくるのは、薫である。
自慢ではないのだが一応、俺の彼女だ。


「どうしたの?」



「ううん、今日一緒に帰ろ?」



「全然おっけ」


「よかった!じゃあ放課後ね」

そう言うと薫はポニーテールを振り回しながら校舎内に走っていくのだった。

正直、あの元気の良さはついていけなくなるものがある。

まぁ
そこが好きなところではあるのだが。