「空ーサッカー行こうぜ!!」


「おぅ!!」


"空"と呼ばれた彼は綺麗なブラウンの髪の毛を軽くなびかせながら私の目の前を通り過ぎた。


高校生になって昼休みにサッカーって小学生かよ。なんて思いながらも校庭でサッカーする姿をいつも教室から眺めていた。



あの楽しそうな雲のない真っ青な空みたいに晴れ晴れとした笑顔を見るとなんだかすごく私の暗い心が洗われる気がした。





「り〜くッ♪」


「ぅわッ;;」


由香がいきなり後ろからのしかかってきたからびっくりした;;


「また空ばっかり眺めて飽きないねぇ」


「飽きないよ。由香と違うからね♪」


「ひどぉ!!」


私が見てるのは空であって空ではない。

由香が言っている空とは違う。



「あ!!空がこっち見てるよ!!お〜い!!」


由香は私にのしかかったまんま校庭にいる空に元気よく手を振る。



そんな彼女が羨ましいと感じることはいつものこと。