「倉橋由利亜ちゃんね、君は?」


「相田沙耶です」


「相田沙耶ちゃんね、わかった!」



その時、反対方向の電車が来た。


「じゃ、俺行くから。またね」


軽く手を振る先輩。


私たちも何気なく振り返してしまった。



「ほら、だから私言ったじゃん」


「すみませんでした。
でも、今のは、妄想のいい材料になったな」


「由利亜の変態っ」


私たちは笑いあった。