『嘘だらけだ、世界なんて』

―曽根崎の森の下風音に聞え とり伝へ―

そう、俺達の世界は嘘だらけだった。
だから、飛んだんだ。

『馬鹿ばっかりだ、みんな』

馬鹿みたいに、絶望だとか死だとかを綺麗な物だと思っていたから。

『嘘つきが地獄に堕ちるっていうなら今頃地獄はパンクしてんだよ』

俺も、あいつも、嘘に嘘を重ねて。何が本当なのか、どれが自分の感情か、わからなくなって。

『馬鹿は救われないって言うんなら誰が救われるって言うんだよ?』

ただひたすらに、誰かの助けを待っているだけだった。

『変わりない真実だけが救われるんだとしたら』

―成仏疑ひなき 恋の手本となりにけり―

『きっと最後に救われるのは俺の愛だけなんじゃない?
そう思わないか?』