「お前なら出来るか、悠希」
問われて、言葉に詰まった。
「…俺は―…」

孝司はきっぱりと言い放つ。

「俺は、出来るよ」

孝司は、見たことがない位の複雑な表情を浮かべた。微笑の中に孕まれた狂気と悲哀。
軽く伸びをして、孝司は屋上のアスファルトに横たわった。


「絶望を見てきた人間ほど、愛だとか友情だとか、綺麗な物を求めるんだと俺は思うよ」