「あんな勘違い女達に決まって、俺のああいう噂立てるんだよ。死ねば良いんだよ。本当に」

冗談っぽさが感じられない口調で、俺に一人ごちる孝司。カナちゃんは幸せだったろう、孝司にこんなに想われている。

紙パックのコーヒー牛乳を吸いながら、俺は、
「ほんとに首切ったらどうすんだよ」
「いじめやった奴らが死刑になると思うか?」

いじめは良くない、誰もが綺麗事を軽々しく口にしている。

「死にたい奴は死ねば良い、俺はそう思うだけだよ」

暗に、自分が自分に死ねば良いと思っているということを言っていることくらい、付き合いの長い俺には分かった。