「調子はどう?」


顔を上げずに華恋が聞いた。


「絶・好・調っ☆」


姫花はフリースローの位置からボールを放った。


ボールは綺麗な弧を描いてゴールに吸い込まれる。



ガタッ…ダンッダンダン…


しかし入ったと思ったボールは

リングをグルッと一周周り

再び外に弾き返されてしまった。






「…今のはたまたま。」





「はいはい。」




姫花は走りだすと

勢いよくボールを拾い

そのままドリブルしながらコート内を走り回り始めた。






「体力落ちた――――!」





そんな姫花を見て

華恋はストップウォッチを手にする。




「じゃあ

そのまま体育館10分完走ね。

よーいはじめっ」






「よーしっ!」






姫花は気合いを入れると

体育館の中に大きく円をかいて走り出した。