「あっはい。」



状況が読めず思わず返事をしてしまった姫花に

その少女は
駆け寄ってきた。

「姫花、お目覚めになったのですね!?

よかった…」




といいながら
瞳に涙を潤ませながら
手をギュッとにぎった。



「あなたは…?」




「私は柊 花菜(ひいらぎ かな)と申します。

花菜とお呼びください。」





そっとお辞儀をした花菜は

姫花と同じくらいの年齢だろう。




しかし顔をあげたあとの微笑みは

姫花よりもずっとしっかりしているように見えた。