「本当は15歳の誕生日にイーストにご帰還し

その1年後に能力者としての力を目覚めさせる予定だったんです。」



主人に叱られたペットのように

シュンとうなだれた。



「…え?

じゃあ本当はあたし達は去年の誕生日にこうなってるはずだったの?」





仁はゆっくり頭をあげて

華恋の顔を恐る恐る覗きこんだ。




「はい…そういうことです…」



「探すためにってことは
具体的にどこに住んでるとか知らなかったの?」



2人を早く連れて帰らなければ、

と思いながらも

質問に答えることしかできない仁は

頭を垂らしながら答える。



「いえ…
危険にさらしてしまうため、あまり行き来はできないんですが、

10年前に一度だけ来たときには協会の近くの施設にいらっしゃったので

その施設を卒業する15歳の時にお迎えに行く予定で…」