「…か…姫花…
どうか…どうか無事で…」
ここはどこだろう…
なんだか
石造りの
大きな建物。
その中心にある
一つのベッド。
そのベッドに寄り添うように
紫色の服に身を包んだ女のひとが
ベッドに寝てる誰かに向かってに話しかけている。
誰…?
誰が寝てるの?
ちょうど顔は見えないが
純白のワンピースを着ている…
「姫花…」
あたし…?
あたしは
ここにいるよ…
あなたは…
…お…母さん…?
思わず
声をだしそうになったとき、
不意に辺りがぼやけ始めた。
あれ…?
「…姫花…ひめ…」
あぁ
声が聞こえる…
お母さんだ
お母さんがあたしを呼んでいる――――――