「玉浦さん、早くスタジオ入りしてください。マネージャーが探してましたよ」
端っこに寄って、ヒロくんと前田先輩が何か話してるみたい。私は急いでコードを拾い上げる。

「おい」

ヒロくんがこっちを振り返った。
「絶対、連絡しろ」
そのヒロくんの口調が、命令するような独特な口調が好き、大好き。
この声だけで心臓がキュンってなる。

レミとか前田とか、ヒロくんが言ってなくてもこの声が私を呼んでいるなら、反応してしまう。
「うん」
勝手に声が出る。たぶん私、すごく顔が赤い。ヒロくんが遠ざかって行く。

「ほらほらレミちゃん、早く繋がないと。収録時間押してるって何回も言ってるじゃんか」
「すみません……」