「あたしラケット二つ持ってるんだ。片方貸してあげるっ。一緒にやってみない?」
え…本当にいいのかな?
…これって、すごく嬉しいことじゃん。
幸せ。
「ありがとうございます!やってみます」
そんな感じで、あたしはみんなより先に練習することができた。
みんなの視線の中でやることは、恥ずかしかったけど優越感もあった。
このときから…あたしはもうすでに崩れてたのかな。
上から人を見下す最低な人に変わったのかな…。
カッ、カツッ
「瑠璃ちゃん上手いじゃーんっ!すごっ」
「そうかなぁ?」
そう言ってる美咲ちゃんもあたしより後に練習した割には上手だけど。
でも、美咲ちゃんが言ってくれた言葉、素直に嬉しかったんだ。
もっともっと頑張ろう。
そう思えた。
…新鮮だった。