それからあたしはずっとバド部の仮入部に行った。
美亜はバレー部とかも行ってたけど…。
あたしは吹部も行こうかと思ったけど、結局はバド部に決めているわけだし。
「ねぇ、前咲さんだよね?」
あたしの前に立った一人の先輩。
えっ…何…?
「そうですけど…」
「いつも来てるよね。もしかしてもうここに決めたの?」
「はいっ!」
あたしはしっかりと答えた。
先輩に話かけられて嬉しい。
だっていつもあたしの存在に気づいてたんだよ?
素直に嬉しいじゃん。
ここの部活に入るって決意はもう揺らがない。
だから真っすぐに答えられる。
「そっか!じゃあやってみる?」
スッ
あたしの手元に差し出されたバド用のラケット。