あたしはこの頃、いじめはしていない。
していない、つもりだった。
何も仕掛けていないし…悪口だけじゃ、いじめとは言わない。
そう思っていた。
自覚、全然してなかったよ。
これはもう、いじめだということを。
「美亜と帰るの嫌なんだけど」
「マジだよね。頑張って」
「いいなー、美咲ちゃんはサヤとだし」
「そんなことないよ、アイツもたまにうざいよ?」
…え!?
てかあたし達、うざい人多くない?
しょうがないけどさ、年頃だし。
「なんか、うざいの」
「へー」
それから、しばらくあたし達は悪口を言っていた。
かなりの人のことを、知らない間に傷つけていたことも知らずに。