…あんまり調子に乗るなよ。

そんなんつもりはなくても、なんとなく声が冷たくなってくる。
でも、美咲ちゃんと同じくらい玲海は鈍感。



だからあたしの心境の変化に気付いていなかった。




今は気付かなくてもいい。
けど明日からは話しかけてきても無視するんだから。





「あのさ…」
「あ、ごめんね。あたし、美亜と話すことがあるから」
「あ、うん…わかった」




正直言うと、早く離れたかった。




あんまり話してると美亜に睨まれそうだし。





「美亜ー!!」




あたしは美亜の名前を呼び近付いた。
すぐに気付いたようで振り向いてくれた。





「何?」


あたしは少し声を低めて、
「玲海がさー、馴れ馴れしすぎる」
「言えてる!!うざいよね」
「だねー」





もしかしたら、あたしが美亜といなければ玲海をいじめることもなかったかもしれない。
それと…




あたしがいつか、あんなことになることも。