授業が終わって教室を出るさい、あの子と目があって
ドキリとしたのは
不覚だった



「タバコでも吸うかな…」


そっと1人になりたくて
立ち入り禁止の屋上にむかった
昼間の風は
なんだか懐かしい気がする



「ふぅー……」

ため息をつく

『あ!今ので凪くんの幸せ一個逃げたからね!』


それが夏香の口癖だった

そのたび
俺は
夏香にキスして
『幸せ一個補給』
って言ったっけ…




思い出すだけで
胸の傷がもっと深くなる