僕のぽっちゃり彼女

「どーしたの?」


俺が近寄って行くと、笑顔のまま目を少し見開いて
真菜ちゃんが不思議そうな顔をした。


「あのぉ・・・」


「んん!?」


頑張れ俺!!


「あのぉ〜メルアド教えてくれへん?」


「えっ!?」


一瞬、真菜ちゃんの顔が強張ったように見えた。



「ああ、ほら。
オムライスの美味しい店に行こうって・・・・」


俺はとっさにオムライスネタを出した。


「ああ、そうだったね。」


真菜ちゃんの顔がパァッと笑顔になった。


恐るべしオムライスの力(汗)




「じゃあ、これ。」


真菜ちゃんはサラサラっと
手帳の空白ページにアドレスを書き、
手帳から紙をちぎって渡してくれた。


赤外線でもいいのに・・・


真菜ちゃん機械音痴?、


そう思ったけど、
俺は手書きのこの紙切れが
とてもうれしかった。




真菜ちゃんの字・・・


なんかかわいい・・・


「じゃあ、楽しみにしてるね。」


真菜ちゃん、今日一番の笑顔。


「うん。 期待してて。」

そう言ってまた会う約束をして
俺は駅に向かい歩き出した。


今日最後に真菜ちゃんの最高の笑顔が見れて、
俺はめっちゃ幸せだった。





それから真菜ちゃんと
メールをするようになった。


真菜ちゃんは忙しいのか
二日後にメールが返ってきたりする。


まだ、それぐらいの仲だってことかな?


それでもいい。


いつか真菜ちゃんと
付き合いたい。


純粋にそう思ったんだ。



今日は外回り。
取引先へ足を運んで、
在庫整理をしていた。


「ふぅ~・・・終わった。
ん!? もうこんな時間!?」


仕事に集中していて、
時間は7時前になっていた。


「今日は会社には帰らんと
このまま家に帰ろう。」


俺は取引先の会社を出て、
歩き出した。


そういやこの辺・・・
真菜ちゃんの家の近くだよな?


ちょっと行ってみようかな。


俺は真菜ちゃんの家の方向へ歩き出した。


んん!? 待てよ?


俺は立ち止まった。


これじゃあ、ストーカーじゃないか?


確かにそうである!!


ただの変態や・・・


やっぱやめよう・・・











俺は振り返り駅の方向へと
向かうはずだったけど・・・


足が動かない・・・


でもやっぱり行きたい・・・
偶然会うかも・・・


少しなら・・・


少しだけなら・・・


いいかな?


いや・・・でも・・・


俺が迷っていると、





「あれっ!? 真樹・・・くん!?」


「へぇっ!?」


突然名前を呼ばれて声が裏返った。


振り返って見ると・・・


真菜ちゃん・・・



俺は全身から変な汗が出てくるのを感じた。


ど、どーしよう・・・(汗)



真菜ちゃんは不思議そうに俺を見た。