僕のぽっちゃり彼女

「真菜ちゃんって、何が好き?」


「何が好き?」


「ああ、食べ物!!」


「ああ、何でも好きだよ。
特にオムライスとかパスタとか。」


「オムライス好き?」


「うん。」


「俺、美味しいとこ知ってんねん。」


「そうなん!?」


「今度行く?」


「うん、行きたい。」


オムライスの話で、パァーっと
満面の笑みを浮かべる真菜ちゃん。



おっしゃぁぁぁ!! 


こんなにスムーズに
会う約束が出来るなんて(嬉)


よし!! メルアドも聞こう!!


「あの・・・真菜ちゃん、メル・・・」


「真樹!! 何二人でしんみりしてんねん。
ほら、飲めよ!!」


「えっ、ああ・・・」


淳平!! 邪魔やねん!!(怒)


せっかくのチャンスが・・・


こいつはいつもいいところで(怒)


凹みながらチラッと真菜ちゃんを見ると、









また食べてるし・・・(汗)


真菜ちゃんは何もなかったように、
から揚げを頬張っていた。


ああっ・・・真菜ちゃん・・・(泣)


淳平の奴(怒)
後でシバキや!!


いい感じで邪魔が入り、
その後、メルアドを聞くチャンスはなかった・・・




「あっ!! もうこんな時間だ!!」


真菜ちゃんが腕時計を見ながら言った。
時刻は22:30を指していた。


「えっ!? もう帰るの?」


淳平が残念そうに言う。


「うん、最近家の近くで変な人が
多くて・・・  
あんまり遅いと怖いから・・・」


「そうか・・・」


真菜ちゃん、もう帰っちゃうのか・・・


俺はガックリと肩を落とした。




その時だ、


「真樹くん、送ってあげて。
真菜と方向一緒でしょ?」


えっ!?


仁美ちゃんがナイスなタイミングで
俺に振ってきた。


「えっ!? 違うで!!
真樹は・・・ふがぁ!!」


淳平が違うと言い掛けてたところを
修司が淳平の口を塞いだ。


「そや、真樹送ったり!!」


修司が俺を見てウインクした。







そう、さっき聞いた真菜ちゃんの家と
俺の家はまったく逆方向!!


でも、俺が真菜ちゃんに
気があるのに気付いて、
修司と仁美ちゃんが気を使ってくれたんだ。


「ええっ、いいよ!!
せっかくなんだからもっと楽しんで!!
一人で大丈夫だよ。」


そう真菜ちゃんは言うけど・・・

俺は送りたい・・・


「いいの、こんな時間に
レディーが一人なんてありえない!!
さぁ、真樹くん!!」


「えっ・・・ああ・・・」


「バイバーイ!!」


そう仁美ちゃんに背中を押されて、
俺と真菜ちゃんは店を出た。


「まったく世話のやける二人だ!!」


仁美が腕組みをしながら一つ息を吐く。


「真樹がだろ? 真菜ちゃんは
飯以外興味なさそうだったぞ?」


修司がそれにツッコム!!


「ええっー!? 真樹、
真菜ちゃん狙い!?」


淳平はまったく気付いてない。


「あーあ・・・ 真菜に取られたか・・・
私は真樹くんタイプなんだけどな・・・」


残念そうにつぶやく真由美。


「真由美ちゃん、
そうだったのぉ~・・・?(泣)」


それを聞いて泣く淳平・・・


「真樹って、不思議よなぁ・・・
昔から美人にモテるねん。
ワケありやけどなぁ・・・」


「ワケあり!?」


「うん。 恋に疲れた女?
傷ついた女?」


「ああ・・・わかる気がする・・・」


真由美がボソッと呟く・・・



「真由美わかるの?」


「うん。 なんだかそばにいるだけで
安心する。そんあ雰囲気を
持ってるんだよね・・・」


真由美が遠い目をして言う。


「でも真樹にはそれがトラウマなんだよ。」


「トラウマ!?」


「うん・・・俺は疲れた時にしか
相手にされないのか?
元気になったら俺のそばから
離れていく・・・ってな。」


「なんでそんなこと?」


「前に付き合ってた子もそうだったから・・・」