俺の視線に気付いたのか、
千春さんは服の袖を引っ張り
アザを隠した。


「ああ、私がいけないんだ。
彼を困らせることしたから・・・
ほら、大学出てまだ
社会人野球に慣れないのよ。

そこへ私がいろいろ言うから
機嫌損ねちゃって・・・」



違う!! 悪いのは宮本先輩だ。


千春さんが野球をしてる人間を
困らせるようなことは絶対にしない。



「千春さん・・・」


俺はただ俯くしかできなかった。