「アンタさ、いつも、あんな事やってんのか?」



私の唯一つのリラックスタイムを返せ。



「…止めておいた方がいいぜ。逆恨みとか、買い易いからな」



舌打ち。



「君、私の心配でもしてんの?」

「…まあ、な」



舌打ち。



「余計なお世話」



男子は苦笑した。



「俺も、そう思う」



じゃ、すんなよ。



「アンタさ…」

「高杉」

「あ?」

「私の名前は『アンタ』じゃない。

高杉遥。一年生よ」

「…同じ一年生の、武藤充夏だ。

『~よ』って言ってるヤツ、初めて見たぜ」

「私、『~ぜ』って言う人、初めて見たよ」



充夏は、からからと笑った。