「…私達に、何の得が?」

「もっともな質問だね」



一呼吸。



「希望する進路への推薦。

それと、在校時には特権を認めよう。

…どちらも、限界は有るけどね」

「では、その限界とは?」



聡人は肩をすくめた。



「推薦の方は…、まぁ、想像してほしい。

特権の方は、大義名分をかざしても犯罪になる様なら無理、かな」



充夏は舌打ちした。



「返事は早急に、お願いするよ」



そう言って、聡人は屋上を去った。