レースのカーテンから覗かせる窓に
ポツリポツリと雨粒が叩いていた。
「でもあたし、気が付かないフリしてた。
それでそうちゃんの側に居られるなら…そう思ってたの。」
「香苗……。」
そっと香苗の肩に手を伸ばす。
細い肩が
少しだけ震えてた。
あたしはどうしたらいいのか。
どうやって
香苗の傷を癒せばいいのか。
いくら思考を回転させても
答えは出なかった。
そんな時
香苗があたしの腕を掴んだ。
強く、それは痛い程に。
「ねぇ、海音…。あたしどうしたらいい?」
掴まれた腕に
香苗の爪があたしに痛みを与える。
この細い華奢な手のどこに
こんな力があるのだろう。
「あたし、これからどうすればいい?そうちゃん居なくて、あたし…っ!」
「香苗、落ち着いて…」