「やっと終わったぁ!」

騒がしい教室に
人一倍大きな香苗の声が響いた。


窓の外には
冷たく降りしきる雨。


「あーぁ。せっかく明後日はイヴなのに。」


頬杖をつき
溜め息を漏らす香苗の瞳は
心の底から残念そうだった。



「これが雪に変わればホワイトクリスマスなのにね!」

「明後日も雨みたいだけど?」

「も~っ、本当意地悪だよね、海音って!」


そんな香苗に
あたしは笑った。



そう
明後日はクリスマスイヴ。


今日は今年最後の学校だった。




世間はクリスマスムードに溢れていて
街はきらびやかなネオンに彩られてる。


心なしか
カップルが多いと感じてるのは
きっとあたしだけじゃないだろう。