嬉しかった。
そうくんと海を眺めていられたら
どんなに幸せなんだろう。
でも……
どうしてあたしなの?
そうくんには
香苗という彼女が居るのに
どうして?
期待、しちゃうよ。
「まぁ、暇な時でいいからさ。」
「……わかった。行こうね、絶対。」
そう告げたあたしに
柔らかく微笑んだそうくんは
再びバイクにまたがると
眩しい朝日に溶けるように颯爽と走って行ってしまった。
あたしの心は何故か穏やかで。
『一人じゃ、寂しいじゃん。』
例えそうくんのあの言葉が
その場しのぎの約束だとしても構わなかった。
そして思ったの。
あたしはもう
光輝く一番星を
見つけられない。
と…