顔を出した朝日が
あたしの瞳を刺すように照らし出す。
「今日は本当にありがとう。」
「どういたしまして。」
バイクに寄り掛かるそうくんは
眠たそうにあくびをした。
「ごめんね、こんな時間まで…」
申し訳なくて
そう呟いたあたしに
「なーに改まって。」と頭を撫でてくれた。
「気にしなくていいから。ゆっくり寝なよ。」
「……ありがとう。」
そうくんの優しさは
お父さんのように温かくて
自然と顔が緩むのがわかった。
「今度さ。海、付き合ってよ。」
「……海?」
「そ。俺の大好きな海。たまに一人で行くんだけどさ、寂しいじゃん。」
バイクで行くのには寒いけど。
そう言って笑うそうくん。