沈黙の中
響くのはテレビの音と
あたしがメール打つ音だけ。
そんな時
画面を見つめる視界に影が出来て
あたしは顔をあげた。
柔らかい
大輔のぬくもりが
あたしの唇を包む。
懐かしくて
どことなく切ない
何度も感じた大輔のキス。
「海音…。」
あたしはいつの間にか
カーペットを背に
天井を見上げていた。
「俺の事…好き?」
上から見下ろす大輔の瞳は
不安の色が滲んでた。
あぁ……。
あたしはまた一つ
あなたに嘘をつかなくちゃいけない。
「…好きだよ。」
そう言った瞬間
被さった大輔の体重に
あたしは声を漏らした。
いくつもの優しいキスを落とす大輔。
あたしはあなたを
上手く愛せない。