「さっきから何してんの?」
呼び掛けられた先に視線を上げると
不機嫌そうな大輔がベッドに横たわってた。
「ごめん。友達の相談乗ってて…。」
「ふぅん…。女?」
「……そうだよ?」
「…あそ。」
散らかる雑誌。
脱ぎ捨てられた制服。
黒いインテリアに包まれた大輔の部屋は
重たい空気が漂ってて息が詰まりそうになる。
学校帰り
久々に大輔と駅で待ち合わせた。
二週間振りの再会。
何度となくかわしてきた大輔の誘いを
さすがに今日は断れなかった。
28日。
今日はあたしと大輔の記念日なのだ。
本来、嬉しいはずなのに
こうも気持ちが落ちるなんて
かなり重症だな…。
目の前に居る恋人よりも
このメールの先に居るそうくんに
触れていたいんだもの。