「ねぇ、海音?」
俯くあたしを
香苗が静かに呼ぶ。
顔を上げた先には
まるで天使のような香苗が笑ってて。
「あたし、そうちゃんが好き。
だけどそれ以上に、海音も大好きなの。」
「……香苗…。」
ぼやける視界に
香苗の言葉があたしの頬に一筋の涙をこぼした。
「……だから…。
二人には幸せになって欲しい。」
そう言って笑う香苗の瞳にも
涙が溢れていて。
もう
我慢出来なかった。
「香苗…っ!」
抱き合うあたし達に
鼓動が共鳴してゆく。
涙は一つの形になって
あたしと香苗を繋いでくれた。
「ごめんね……。裏切って…本当に……。
ごめんなさ…ぃ。」
再び繋がった気持ちに
胸がいっぱいで。
流した涙の先に
夏の太陽が笑ってた。
ありがとう。
香苗、大好きだよ。
あなたはあたしの
かけがえのない
『親友』です―――…