だけど香苗は言葉を繋いていく。


全ての絡まった糸を解いていくように。





「…確信はなかったの。

だけど……。」


香苗の瞳に
悲しみが揺れる。



「海音は知らないかもしれないけど…。

あたしがそうちゃんの話する度、海音いつも寂しそうだった。」



香苗の小さな声が紡いだ言葉は
真っ直ぐに響いて

あたしの心を貫いた。



「…嘘……。」

あたし……そんな顔してた…?


思考が止まった頭の中で
香苗とのやりとりが反芻してゆく。




「あたしは海音の親友だよ?

海音の考えてる事も
あたしなりにわかってるつもり。」


優しく笑う香苗に
再びあたしの目頭が熱くなって。



香苗の温かい手のひらが

あたしの凍った心を溶かしていった。